立命館大学国際平和ミュージアム Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

日記 MUSEUM ARTIFACTS






日記

1934(昭和9)年11 - 616

1934年1月1日から6月16日まで記入された日記帳。三省堂から出版されたもの。所々記入が欠けている。12歳の少女によって書かれたもので絵が書かれているページもある。内容は友人と遊んだことや学校で学んだこと、その日の食事についてなどである。

 


戦争と人々の生活
 この日記は1934(昭和9)年に一人の少女によって書かれたものです。日記自体は三省堂から少年少女向けに出版されたもので、教育勅語や皇室の系譜などが載っています。また、国史年表は神武天皇の即位から始まっており、西暦ではなく日本書紀に基づく皇紀という紀元で記されているなど当時の日本の空気感がうかがえます。
 しかし、そうした空気感とは一転して少女の日記の内容は穏やかなものです。少女は日記が始まる1934(昭和9)年の1月当時、高等女学校および旧制中学校の入学試験を控えている尋常小学校6年生です。友達と風船つきをして遊んだり、宿題をしたり、書き初めをしたり、また体調を崩して医者に行ったりといった現代とそう変わらない日常と、旧制教育制度での学校生活や食事など現代と異なりながらも平和な生活が綴られています。それらは戦争下の生活と聞いて我々が思い浮かべるひもじい暮らしとは違うように見えます。というのも、日本が戦時体制に入ったのは1937(昭和12)年の日中戦争からでそこから暮らしや経済も戦争の準備のために優先されるようになり、人々の暮らしは制限され戦争中心の生活になっていきました。
 国は大きな問題に直面しているけれど自分たちとはどこか無関係に思える感覚を私たちも感じたことがあると思います。つまり、この日記は自分の意思とは無関係に戦時体制に組み込まれていく前の戦時下の子どもの暮らしを知ることができる資料なのです。

実習生 堀川麻美

 

補足資料

 

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