立命館大学国際平和ミュージアム Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

2020年度博物館実習報告 MUSEUM PRACTICUM REPORT

博物館実習報告

 当館では、教育普及活動の一環として、博物館実習を実施しています。今年は、新型コロナウイルスの影響により、例年より遅れての実施となり、感染防止対策を徹底し、通常行われていた内容や方法を一部変更するなど、例年とは異なる博物館実習となりました。
 今回の実習報告では、実習の様子を紹介するとともに、新たな試みとして、実習生による展示制作の内容をWEB展示として公開します。

実習概要

実施日 2020年8月21、22、24、25、27、28日 計6日間
実習生 立命館大学文学部 6名 立命館大学映像学部 3名 京都橘大学文学部 1名 計10名

 

 


実習報告

実習1日目

館長講義

 実習初日は、吾郷館長の特別講義で始まりました。「平和について」と題し、国際機構の歴史、SDGs、平和ミュージアムの役割などについてお話いただきました。今回はZoomを使ったリモート講義となりましたが、実習生は緊張した面持ちで、館長の話に聞き入っていました。

 

館内見学、業務説明

 博物館の収蔵環境について説明した後、展示室の見学を行いました。見学後の意見交換では、当館の展示の良い点や改善点など、実習生の目線から様々な意見が集まりました。
 業務説明は、二日に分けて実施し、当館の財政や運営、教育・広報活動、庶務、展示業務、資料室の運営、受付業務について、現場の職員から直接話を聞く機会としました。当館の運営が自分たちの学費で成り立っていることに驚く実習生もおり、大学博物館の経営状況を知るよい機会となったようです。

▲館長講義 ▲館内見学 ▲業務説明

 

 

 

実習2日目

バックヤードツアー、資料保存環境整備

 博物館の資料保存機能について学んでもらうため、バックヤードツアーと保存環境の整備を行いました。ツアーでは、収蔵庫や前室を初めて目にする実習生も多く、博物館の資料管理のシステムに驚いていました。その後、文化財IPM(予防に重点をおいた総合的な有害生物管理)に基づく環境整備の一環として、収蔵庫や前室の点検、清掃を行ってもらいました。博物館の資料保存環境が、日々のメンテナンスの積み重ねによって守られていることを実感できたという声が多くみられました。

 

資料管理、マイクロフィルム化準備作業

 資料管理は、収集資料を整理・保存して将来に伝えるための基礎となる作業です。当館での収集から登録までの流れ、作業の内容、データベース(情報管理)についての説明を行いました。
 マイクロフィルムは、記録媒体の一つです。資料の保全や長期保存の観点から、当館では資料のデジタル化と併せてフィルム化を進めています。実習生には、フィルム化の準備作業として、対象となる紙資料の状態を確認して数える作業を行ってもらいました。初めて資料に触れる実習生がほとんどで、最初は恐る恐る手にしていましたが、次第に扱い方にも慣れていき、スムーズに作業を進めることができました。

▲バックヤードツアー ▲資料整理、フィルム化作業

 

 

実習3日目

温湿度管理、資料出納

 新型コロナ感染拡大防止対策のため、2班に分かれての作業となりました。
 A班は、当館の温湿度管理システム・計器の説明、計器の用紙交換、データの回収作業を行いました。また、アスマン通風乾湿計を利用して、館内の温湿度計の校正作業もあわせて行いました。
 B班は、実習後半の展示実習にむけて、あらかじめ選定した資料を、収蔵庫から取り出す作業を行いました。

 

資料カード作成

 当館では、収集資料の整理のために、資料カード(資料の調書)を作成しています。学芸員から作成の手順や記録のポイントなどの説明を受けた後、各自が選定した資料のカードづくりを行いました。みな集中してカード作成に取り組み、名称、サイズ、員数、材質、状態などの資料に関する諸情報を正確に記録する作業がつづきました。

▲温湿度管理 ▲資料カード作成

 

 

実習4日目~6日目

展示制作実習

 展示業務の流れを把握して具体的な実務を経験してもらうため、実習の後半は、実習生による展示制作を実施しました。展示テーマは、当館のミニ企画展示「戦後75年特別企画 ミュージアム・この一点」の実習生バージョンです。実習生には、当館の収蔵品の中から1点を選んでもらい、解説・キャプション・パネル制作、資料展示、資料撮影、会場設営・撤収などの一連の作業を行ってもらいました。
 展示に際し、キャプションや資料解説はもちろんのこと、ただ資料を展示する(置く)だけでなく、資料を見せる際の工夫を盛り込むように、と課題を与えました。短い準備期間の中、実習生は、資料調査を行い、各自アイデアを絞り出しながら、時間ぎりぎりまで試行錯誤して展示を完成させていきました。
 最後に、学芸員と職員、当館関係者を前に、来館者を想定したプレゼンテーションを行って、展示解説の業務を経験してもらいました。資料の説明や、展示に際して考えた工夫など、各自の展示の見どころをうまく紹介できていました。

▲パネル制作 ▲展示作業 ▲プレゼンテーション

 

 

実習成果

 6日間にわたって実施した博物館実習の成果として、実習生による展示「ミュージアム・この1点」実習生バージョンをWEB展示として公開しています。実習生ならではの展示をご覧ください。

【展示先リンク】

 

   

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