立命館大学国際平和ミュージアム 平和教育研究センター Peace Education and Research Institute, Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

お知らせ NEWS

7月29日(日)、科研費挑戦的萌芽研究「平和博物館における戦争体験継承のための展示モデル構築」プロジェクトの第9回ワークショップ『レプリカ交響曲《広島平和記念公園 8 月 6 日》(2015)』を開催しました

2018.11.29(木)

 

 7月29日(日)、第9回ワークショップ『レプリカ交響曲《広島平和記念公園 8 月 6 日》(2015)』を開催しました。「レプリカ交響曲」は、JSPS科研費JP15K13074の助成を受けた挑戦的萌芽研究『復興と文化の創造―被爆都市ヒロシマのビジュアル・エスノグラフィ』 を通して制作された作品であり、2015年8月6日の広島平和記念公園を中心に、17台のカメラでそこにあった人々の経験を捉えたエスノグラフィ映像が、インスタレーションとしてまとめられたものです(土屋大輔、広島ビジュアルエスノグラフィー研究会)。(近著、松尾浩一郎・根本雅也・小倉康嗣編『原爆をまなざす人びと──広島平和記念公園八月六日のビジュアル・エスノグラフィ』新曜社に詳しい。)
 8月6日の広島平和記念公園といえば、毎年テレビで中継される「平和記念式典」が思い出されますが、平和運動のデモやアピール行動をする団体、取材陣、式典とは別に家族連れなどでひっそりと慰霊に訪れる人々、通行人、犬の散歩、深夜に自転車で慰霊碑をめぐる若者など、早朝から深夜まで、多様な人々がそれぞれの形で8月6日の広島平和記念公園での経験を紡ぎだしています。
 報告では、上記映像の一部上映とともに、『復興と文化の創造―被爆都市ヒロシマのビジュアル・エスノグラフィ』のメンバーであった根本雅也氏と土屋大輔氏にお話をいただきました。根本氏からは、別の場所で別のことが同時に起きている多様性を表現する方法として、時空間そのものを再提示できるインスタレーションが選ばれた経緯、観るものがインスタレーションの中に映っているものや映っていないものを通して8月6日の意味を考え直す契機となる可能性についてお話いただきました。土屋氏からは、80時間を超える調査成果映像を、「鑑賞者が参加できる時空間」として再構成する作業を楽譜を用いて行い、聴覚を頼りに鑑賞者がインスタレーションの時間を歩くことが出来るよう設計した製作過程についてお話いただきました。
 本作品は、11月に開催の本プロジェクト成果展示の中でも、現代における戦争との向き合い方の多様性を表すものとして展示され、来館者にこの中を歩くことで想起される8月6日の意味を問いかけます。
  
科研費挑戦的萌芽研究「平和博物館における戦争体験継承のための展示モデル構築」
第9回ワークショップ
『レプリカ交響曲《広島平和記念公園 8 月 6 日》(2015)』
日時:2018年7月29日(金)10:00~12:00
場所:立命館大学国際平和ミュージアム 2階会議室
報告:根本雅也(衣笠研究機構プロジェクト研究員・国際平和ミュージアム平和教育研究センターリサーチャー)、土屋大輔
参加者:11名

 

▲土屋大輔氏

▲根本雅也氏

▲「レプリカ交響曲」資料

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