立命館大学国際平和ミュージアム Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

『週刊朝日第44巻21号「学徒出陣号」』 MUSEUM ARTIFACTS






『週刊朝日第4421号「学徒出陣号」』

1943(昭和18)1121

全36ページ。定価15銭。大阪朝日新聞本社発行。学徒出陣、大東亜会議、連載娯楽の3つが特集されている。表紙には岡部長景文部大臣による「出陣学徒壮行大会のために文相餞けの一首」が載っている。

 


 

 政治や大衆情報が多く載せられたこの資料からは、当時の国内情勢と大衆生活の両方が読み取れます。
 特集は学徒出陣、連載コラム、大東亜会議の3本ですが、表紙には岡部長景文部大臣による出陣学徒への歌が載り、同年12月の学徒動員についての関心の高さが窺われます。
 一方で連載小説や葉書懸賞の俳句・短歌、映画時評など大衆娯楽についての記事も掲載されています。また、広告には頭痛薬や喉頭結核(こうとうけっかく)、肺炎薬などの医薬品や(特に表紙まわりの4面は医薬品広告が大きい。)、電球や刺繍(ししゅう)代行、軍刀手入れ品等の生活用品、長編小説や書店の新刊情報の広告コラムなど大衆向けの情報が豊富です。時事問題などニュース誌と大衆向け情報誌を組み合わせた雑誌形態は現在発行されている『週刊朝日』の雑誌形態と通じています。

 国民の日常生活で身近な存在である週刊雑誌に戦争の情勢が載せられていることから、雑誌を通して国民一人一人に戦争が影響していること、一方で戦争を大衆に向け報道する1つの手段として雑誌『週刊朝日』が扱われていたことを読み取ることができます。


実習生 根岸明日風

 

資料詳細

医薬品の広告が大きく載せられている。

 

軍神は20前後にして益良夫の道を極め偉大にして不朽の人生をわたった。
何の道も置かれた仕事を極めることが大切であることを伝える文。
その隣に頭痛薬ノーメイの広告コラムが掲載されている。

 

pagetop