立命館大学国際平和ミュージアム Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

興亜ナカヨシスゴロク MUSEUM ARTIFACTS




興亜ナカヨシスゴロク

1941(昭和16)11

『幼年倶楽部』16巻1号付録。絵は大槻さだを。
総力戦体制が本格化すると、日常のあらゆるものが戦争に関連する内容となっていき、その影響は子供たちの玩具にまで及んだ。


この資料は、『幼年倶楽部』という子ども向け雑誌の付録の「まわりすごろく」です。それぞれのコマには、バナナを取る子ども、剣道の稽古をする子ども、羊の見張りをする子どもといった、アジアの国々の子どもたちの様子が描かれています。このすごろくは、アジアの勢力を盛んにしようとする「興亜」のため、子どもたちにも、アジアの結束を強めることを印象付けているようです。

この資料から、戦時中の日本では、大人向けのマスメディアのみならず、子ども向けの出版物や玩具にも、当時の世界情勢や政策が反映されていたことがわかります。少しずつ戦争に組み込まれていく子どもたちの姿を、こうした資料から読み取ることができるように思います。情報や教育が、人々の意識に与える影響の大きさを改めて感じさせられます。

ミュージアム学生スタッフ 青島繭

 

 

参考資料:センシャガッセン

1941(昭和16)年1月1日

『幼年倶楽部』16巻1号付録。「興亜ナカヨシスゴロク」の裏面で、コマを戦車と大砲に見立てた2人用のボードゲーム。交互にコマを進めていき、先に相手の陣地(上下の端にあるお城)に到達した方が勝ちとなる。




 

 

 

 

 

 

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