立命館大学国際平和ミュージアム Kyoto Museum for World Peace, Ritsumeikan University

第137回ミニ企画展示 137TH MINI-EXHIBITION

お わ り に

 3つの謎について、どのように考えましたか。
 学問の徒であることを望みながら生きた大学生林尹夫が、戦争の中で自身を削るようにして書き残したノート。
 1967年、はじめて林尹夫の日記の一部分が出版された時はまだ、世の中には戦争を経験した当事者たちの言葉があふれていました。また、同じ時代を経験した兄が見せたかった弟の姿だったのかもしれません。
 一方でノート原本は、時代や兄の思惑をこえて、己を生きるという尹夫の強い意思にあふれています。尹夫が達した絶望は、2021年の私たちが読み取ることのできる「戦争の記憶」の一つとなるのではないでしょうか。
 最後は林尹夫が敬愛してやまなかった恩師、深瀬基寛の言葉を借りて締めくくります。

 

 

 


 林君の死の意味は次の世代へ直接に流れてゆかなくてはならない。
それでもその死そのものは永遠の喪失であることに変りはない。

わたしは慰むべき言葉を知らない。

 

深瀨基寛

「人はみな草のごとく ―序にかえて―」唐木順三(編)『深瀬基寛集 第二卷』筑摩書房1968年 より



 

 

 

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